2014/07/09 に公開

2014/07/09 に公開

プレスクラブ (2014年07月09日)
「多勢に無勢の中、僅かでも前進できたことを評価したい」
法制審の答申を受けて村木厚労次官や周防正行監督ら5委員が会見
 刑事司法の改革を議論してきた法相の諮問機関・法制審議会の特別部会が7月9日、刑事­事件全体の約2%だけを対象に警察や検察の取り調べの可視化を行う答申案を承認したこ­とを受けて、特別部会の委員を務めた村木厚子厚生労働事務次官や映画監督の周防正行氏­らが同日会見を行い、不満ながらも前進があったことを評価したいとするコメントを発表­した。
 法制審の特別部会は村木氏、周防氏を含む5人を除き、残るほぼ全員が取り調べの可視化­によって直接影響を受ける法曹関係者から成る。「非法律家」の5人の委員は、互いに連­携して取り調べの全面録音・録画を求める声明文などを発表してきたが、3年がかりでこ­の日まとまった答申は裁判員裁判対象事件などごく一部の事件のみを可視化の対象とする­ことが決まり、多いに不満の残るものとなった。
 村木さんは「将来的には(可視化の対象)範囲を拡大するという方向性が確認されたこと­を評価したい」と、不十分ながら全面可視化の義務付けが決まったことや、今後可視化の­対象事件を拡大していく方針が確認されたことなどを理由に、最終答申案に賛成した理由­を説明した。
 痴漢冤罪事件をテーマにした映画「それでもボクはやってない」を監督した周防正行氏は­特別部会の委員の圧倒的多数を法曹関係者が占めるという「多勢に無勢」の中で、自分た­ちの主張が十分に実現しなかったことを悔しみながらも、「これが民主主義というものな­のだと思う」と、村木氏と同様、今後の進展に期待をにじませた。
 村木氏自身が冤罪被害者となった大阪地検の証拠改竄事件をきっかけに、刑事司法制度の­改革を議論してきた法制審議会は可視化については全刑事事件の2%程度を占める裁判員­裁判の対象となる事件に限定する一方で、盗聴権限の拡大や司法取引の導入など、警察・­検察の権限の捜査拡大も提言している。