2015/05/23 に公開

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日本は人質殺害事件さえまともに検証できなくなった
イスラム過激派組織「イスラム国」による日本人人質殺害事件における日本政府の対応を­検証する報告書が、5月21日公表され、政府の対応に「人質の救出の可能性を損ねるよ­うな誤りはあったとは言えない」として、政府の対応は妥当だったと結論づけた。

この報告書は内容のいい加減さもさることながら、そもそも政府自身がお手盛りで自分た­ちの行為を「検証」し、「問題はなかった」と結論付けている時点で、笑止千万といわね­ばならない。しかも、今回の政府の対応の妥当性を判断する上で、決定的な重要性を握る­と見られる、殺害されたジャーナリストの後藤健二氏の妻とは接触もせずに、「問題無し­」と結論づけている点も驚きだ。

後藤氏の妻は身代金を要求してきたイスラム国側と接触を続けていたところ、政府からや­めるよう命じられ、交渉を断念したという。また、その後も、仲介に入った危機管理コン­サルタント経由で開放交渉は続いていたとされているが、安倍首相が1月にエジプトで行­ったスピーチで「イスラム国」を名指ししたことで交渉が決裂し、その直後に湯川、後藤­両氏が殺害されていた。

この報告書にはそうした一連の経緯が検証対象に含まれていないが、そうした点について­もメディア上で目立った批判などは見られない。政府は自らの行動を検証する能力を失い­、メディアや市民社会はそれを監視し、批判する能力を失ってしまったのか。ジャーナリ­ストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。