この生命を凛と生きる (講談社文庫)
是非、読んでください。v( ̄∇ ̄)v
三十年も車椅子の娘を支えた気丈な母がぼけ出した、母のため初めて食事を作り、風呂に入れ、カテーテルの処置をする。「オイツメテハイケナイ」呪文を唱 え、時に「鬼の邦子」になって老いに寄り添う。悔いのない別れなんてあるんだろうか。万朶の桜の中、逝った母への癒し難い思いが胸に痛い。老い、介護とは を問う名篇。
「悔いのない、人との別れなんてない…」 痴呆に苦しむ最愛の母を看取る中で見つめてきた「生と死」。どんなに苦しくとも、背すじを伸ばし凛として生きてゆきたい。そんな著者が描く人生の哀歓。

大石邦子(おおいしくにこ)
福島県生まれ。会津女子高校卒。1964年通勤中のバスで事故にあい左半身麻痺となる。1967年「第四領域症候群」と診断、不治の宣告を受ける。その後 右下半身にも麻痺が進む。翌年カトリックの洗礼を受ける。1971年退院、リハビリテーションのため熱海に転地療養。1976年自宅にもどり車椅子の生活 を続けながら今日にいたる。執筆のかたわら、自らの体験をもとに精力的に各地で公演を行う。1983年歌集『冬の虹』(歴史春秋社)で第36回福島県文学 賞受賞。著書に『この生命ある限り』『この愛なくば』『この胸に光は消えず』『この窓の向こうへ』『私のなかの愛と死』『遙かなる心の旅』(以上講談社) 『野口英世』(歴史春秋社)。歌集に『くちなしの花』(越後屋書房)等がある。