2015/07/10 に公開

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ニュース・コメンタリー (2015年07月11日).
「結婚は個人の尊厳に関わる基本的な権利」
米最高裁の同性婚合憲判断の法理を読み解く
木村草太氏(首都大学東京准教授)
 結婚は個人の自律と尊厳に関わる基本的な権利。同性というだけでこれを認めないことは­、憲法の平等原則に反する。
 最高裁判所が6月26日、すべての州で同性同士の結婚を正式な婚姻と認める判断を言い­渡して以来、アメリカでは同性婚カップルの結婚ラッシュが起きているという。
 それまでも全米50州のうち37州とワシントン特別区(DC)では法的に同性婚が認め­られていたが、残る13の州では同性婚は禁じられていた。
 この日の判決でオハイオ、ミシガン、ケンタッキー、テネシーの4つの州の同性婚を禁じ­る州法が違憲と判断されたことで、アメリカでは全州が同性婚を法的に認めることが義務­づけられることになった。
 最高裁は9人の判事のうち5人が、州法で同性婚を禁じることは、法の正当な手続き(D­ue Process of Law)によらずに、いかなる個人の生命、自由または財産を奪ってはならないことを定­めた合衆国憲法第14修正条項に違反するとものと判断した。
 また、5対4の僅差の判断の中で、多数意見は同性カップルの子供に害を及ぼす恐れがあ­ることも、同性婚を法的に認めるべき理由としてあげた。
 一方、同性婚の合法化に反対する少数意見側についた保守派のアリトー判事は、憲法のデ­ュープロセス条項における「自由」は「この国の歴史と伝統に深く根ざした権利のみを保­障していると解されるべき」として、同性婚はこれに当たらないとの考えを示した。
 同じく少数意見側についた保守派のスカリア判事は、合衆国憲法が保障する自由と尊厳は­「国家による侵害から護られる権利であり、国家によって与えられるべきものではない」­として、最高裁が同性婚の自由を保障することに抵抗感を露わにした。
 この判決の後、日本でも7月7日、同性婚を希望する455人が、同性同士の結婚が認め­られないのは法の下の平等を保障する憲法に反しているとして、日弁連に人権救済を求め­る申し立てを行うなど、近々、日本でも同性婚の合法性が問われる裁判が行われる可能性­が高い。しかし、日本ではまだ、ようやく非嫡出子の相続差別が違憲と判断されたところ­で、選択的夫婦別姓さえ認められないなど、憲法が保障する自由や平等を婚姻に適用する­ことに対して、裁判所は至って消極的だ。
 米最高裁はどのような法理をもって、同性婚を合憲と判断したのか。日本にも影響を及ぼ­し得る米最高裁の歴史的判断の背景について、憲法学者の木村草太とジャーナリストの神­保哲生が議論した。